看護学科 シンガポール研修2025 現地レポート

2025年03月31日 国際交流

 看護学部看護学科は2011年度からシンガポール国立大学(NUS)と学部間交流協定を締結しており、2025年3月16日~23日に国際看護研修ⅠとしてNUSを訪問しました。研修に際して学内のみならず学外の研修を調整していただき、シンガポールの看護教育の実際やヘルスケアシステムについて学ぶことができましたので、現地からのレポートをお伝えします。

 

3月16日:Day1:移動日

 理事長、学科長が羽田空港に来てくださり、全員で出発式を行った後、出国しました。

 初めての渡航となる学生もいる中、約7時間のフライトも予定通り進み、無事チャンギ空港に到着しました。空港では、昨年度本学に研修同行いただいたDr.Zakirとバディ3名が出迎えてくれ、大型バスで研修中の滞在先であるNUS内にあるUtown(宿泊先)に移動しました。チェックイン、施設案内、夕食もバディ達がサポートしてくれ楽しく過ごしました。

羽田空港を出発

チャンギ空港に到着

バディ達と夕食

3月17日:Day2:研修開始

ウェルカムセッション・解剖学の講義・シミュレーション体験・図書館見学

 研修先のシンガポール国立大学(NUS)は、シンガポールの総合大学であり、看護分野では、2025年3月のQuacquarelli Symonds World University Rankings (QS WUR) by Subject 2025において、全世界で8位と前年度の20位から大きく順位が上がっている大学です。

 午前中は、NUSの教職員や学生と私たち含めて5大学の交換留学生がそれぞれ各国のヘルスケアシステムや看護教育の発表・ディスカッションを行い、相互の理解を深めました。その後は、ご準備くださった素敵なランチをいただきました!

 午後は、解剖学(神経系)の授業に参加し、脳神経や神経支配などの講義の後に実際に献体されたご遺体に触れることでより大きな学びをいただきました。Dr.Zakirが担当くださり、講義として予定されていた脳や脊髄のみならず、消化器や泌尿器、生殖器を含む全身の説明を丁寧に説明いただき、領域実習を終えた3年次生が2年次生に臨地実習中によく使用した知識をレクチャーしている場面もありとても頼もしく感じました。

 他、本学にあるシミュレーターとの共通点や相違点を見つけながらシミュレーションルームやVRを用いた学習環境や、図書館を見学もしました。

シンガポール国立大学(NUS)

5大学の交換留学生による発表

ランチ

解剖学(神経系)の授業に参加

シミュレーションルーム

VR

3月18日:Day3

St Andrew’s Community HospitalおよびSt Andrew’s Mission Hospital跡地見学

 シンガポールでは、日本と同様に少子高齢化が大きな社会問題となっており、急性期を脱した患者を受け入れ、リハビリテーション、亜急性期、認知症、緩和ケアを通して、家族サポートなどの支援者とともに地域の中で生活できるようコミュニティ病院が重要な役割を果たしています。そして、今回はSt Andrew’s Community Hospitalを見学しました。多民族国家であるシンガポールでは、Covid-19の経験を通じて、家族やコミュニティとの繋がりの大切さを再認識したことも影響しているというお話をしてくださいました。リハビリテーションに通えるよう専用のタクシーもあり、見学をさせていただきました。

 午後はその前進であるSt Andrew’s Mission Hospital跡地の見学を行いました。本施設は、子どもと女性のための病院として設立され、子どもの結核患者を診る施設がなかったことを受け1939年から子どもの結核患者を受け入れていたそうです。建物の中心に存在する太陽の光が降り注ぐ大きな三角形の窓や屋上、結核性関節炎での痛みがあっても屋上に上ることができるよう設置されたエレベーターは、温かい気候に癒されるために重要な役割を果たしていたのだと説明いただきました。

 プログラム後は、Dr.Zakirがホームパーティを準備してくださり、香港大学の学生・バディとともにチリクラブやサテなどたくさんの料理ととも楽しい会話をはずませ交流を深めました。

リハビリテーションーに通うための専用タクシー

太陽の光が降り注ぐ大きな三角形の窓

St Andrew’s Mission Hospital跡地の見学

Dr.Zakirがホームパーティに招待してくれました

3月19日:Day4

St Luke’s Eldercare Ayer Rajah Centre訪問

 St Luke’s Eldercare Ayer Rajah Centreは、公共のデイケア施設です。午前中に民族音楽を専攻されているDr.Leeにご指導いただき、アンクルンとカホーン、ハンドベルを用いて「GEYLANG SIPAKU GEYLANG」を全ての交換留学生で演奏をしました。なんとその中でTAU学生がカホーン担当に抜擢されました!

 その後、デイケア参加者と交流する機会がありました。シンガポールはその国民の多くが中華系であり、英語でのコミュニケーションが難しい方も多い上にご高齢であるため視覚的な理由からなかなかうまくコミュニケーションをとることが難しい状況でしたが、学生同士で協力しながら懸命にコミュニケーションをとろうとしました。言語の壁があったとしても、注意深く観察し、非言語的なコミュニケーションを用いること、「高齢者自身ができること」を伸ばし、「チャレンジすること」を支援していくための関わりについて学ぶ機会となりました。

カホーン担当に抜擢されたTAU生

3月20日:Day5

生理学・フィジカルアセスメントの講義参加

 生理学の講義やフィジカルアセスメントの演習においても解剖学と同様に神経系に関するものであり、関心を持って学ぶことができました。専門用語を英語を用いて理解をしていくことは、学習内容も含め難しい分野ですが、翻訳機能やこれまで学習してきた内容を再度復習し日本語と結びつけながら積極的に理解をしようと頑張りました。

フィジカルアセスメントの演習

3月21日:Day6

マクドナルドハウス見学・修了式・ランチ

 NUS横の国立大学病院(NUH)に併設したマクドナルドハウス(RMHC)を見学しました。RMHCは、2013年1月にオープンし、入院した子供に寄り添う家族に休息する場所や食事を無料で提供しており、日本にも現時点で12施設存在している施設です。そして、本学看護学科が臨地実習を行っている東京大学医学部附属病院にも併設されています。

 その後、セミナー室に戻り、Dr.ZakirおよびDr.Lim Fui Pin参加のもと修了証および記念品が贈呈されました!英語が十分に分からなくても大丈夫、でもここで出会った人たちや気づいたことをぜひ自分たちの国に戻った時に活かしてほしいし、ぜひ同じように将来の看護のために頑張る仲間との関係をこれからも大切に繋いでほしいという温かいメッセージをいただきました。そして、ランチをいただき、すべてのプログラムを修了しました。

3月22日:Day7

Free:USS・バディ活動

 NUSでの研修が修了した翌日、日中はバディたちは講義や実習があるとのことで学生たちと香港大学の学生でユニバーサルスタジオシンガポール(USS)に行きました。香港大学の学生とは、日本か香港での再会を誓いながら最後の交流を楽しみました。その講義を終えたバディと合流し夕食や卓球などをして別れを惜しみながら最後の夜を過ごしました。

ユニバーサルスタジオシンガポール

講義を終えたバディと夕食

卓球

スマートフォンを活用しながらのバディとコミュニケーションを取っている様子

3月23日:Day8:帰国

 チャンギ空港までDr.Zakirと4人のバディが見送りに来てくれました。

 7月に研修でTAUに来るバディや昨年度研修に参加したバディもおり、全員との別れを惜しみながらも再会できる日を楽しみに、帰国しました。

Dr.Zakirと4人のバディが見送りに来てくれました

チャンギ空港


また、学内プログラム前の移動や朝食、終了後などの活動もバディは丁寧にサポートしてくれました。そのおかげで、学生たちがシンガポールという国や文化に触れ、実感するという何事にも代えがたい経験をすることができました。そして、それぞれの経験の中で自身を振り返り、課題を見つけた学生も多く、今後に繋げていけるよう学びの多い研修となりました。

バディが所属するコーラスサークルの発表に行きました

マーライオン公園

世界最長の室内滝ジュエルのレイン・ボーテックス

マクドナルドのシンガポール限定メニューを食べました