鍼灸学科・松浦助教が ICMART 2024でPoster Awardを受賞しました

2024年10月25日 社会貢献・研究

去る2024年9月27日(金)~9月29日(日)に韓国で開催された ICMART 2024において、
本学鍼灸学科の松浦悠人助教が Poster Awardを受賞して表彰されました。
おめでとうございます!

 

「Mapping brain region activation patients with major depressive disorder during acupuncture stimulation: A study using arterial spin labeled MRI」

*日本語訳「うつ病患者における鍼刺激中の脳領域活性化のマッピング:arterial spin labeled MRIを用いて」

 

著者

Yuto Matsuura1)2), Tomokazu Kikuchi3), Satoru Yamaguchi2), Haruo Yoshimasu4), Hiroshi Matsuda5), Fumiko Yasuno1), Tomomi Sakai1)

1) Department of Acupuncture and Moxibustion, Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences, Tokyo, Japan
2) Department of Oriental Medicine, Saitama Medical university, Saitama, Japan
3) Nihon Acupuncture and Moxibustion Therapy College, Tokyo, Japan
4) Department of Psychiatry, Saitama Medical Center, Saitama, Japan
5) Department of Biofunctional Imaging, Fukushima Medical University, Fukushima, Japan

 

研究のポイント

❶鍼治療はうつ病に対する有効性が報告されており、海外の診療ガイドラインでは薬物との併用療法を推奨するものもあります。

❷治療効果のメカニズムとして、鍼治療による脳機能の正常化が示されていますが、鍼をしている間にどのような脳機能の変化が起きているかは不明な点が多いです。

❸私たちの研究では、arterial spin labeling(ASL)法という非侵襲的に繰り返し脳血流を測定可能なMRIを用いて、鍼刺激中の脳血流の変化を観察しました。

❹その結果、うつ病患者への鍼刺激によりに左背外側前頭前野や前帯状皮質の血流増加、扁桃体の血流減少などがみられました。

❺左背外側前頭前野や前帯状皮質、扁桃体はうつ病の重要な病態部位といわれています。これらに鍼刺激が影響していたことは、鍼刺激がうつ病患者の脳機能を改善していることを示唆しています。

 

受賞者・松浦先生のコメント

この度、このような栄えある賞をいただけましたこと、大変嬉しく思います。この研究は、多くの共同研究者や関係者の皆様のお力添えのもと実施することができました。ご指導いただいた皆様に深く感謝いたします。今後、精神科領域で心身の不調に悩む患者さんに鍼灸がもっと活用されることを目指し、研究をさらに発展させていきたいと思います。

 

関連サイト

ICMART2024
https://www.icmart2024.org/