ハーバード・メディカル・スクール Jian Kong教授の特別講演が行われました

2023年06月14日 社会貢献・研究

本学・鍼灸学科の高倉学科長の研究室では、Harvard Medical School教授で本学客員教授でもあるJian Kong先生のグループとともに、理想的なプラセボ鍼の確立を目指して共同研究を行っています(関連記事:2022年12月16日掲載

この度、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の補助金による共同研究を進めるため、Jian Kong教授が本学に来校されました。

(左)Kong教授 (右)櫻井理事長

(左)林学長 (右)Kong教授

研究の合間を縫って、本学訪問中(2023年5月24日)に、Kong教授に特別講演(公開授業)「Modulation effects of acupuncture, imagined acupuncture and placebo acupuncture」を行っていただきました。

Modulation effects of acupuncture, imagined acupuncture and placebo acupuncture

講義のポイント

  • アメリカで鍼はとてもポピュラーで、鍼灸師の数が圧倒的に少ない。
  • Kong教授の研究室では、鍼を受けたくても受けられない人や、感染症の蔓延などで直接治療を受けられない人々に対する、鍼治療の映像を用いた治療の可能性を研究している。
  • 今回、高倉研究室が世界で初めて開発した「二重盲検法(患者と治療者が本物の治療か、効果のない治療か分からないようにした方法)に用いる研究用の鍼」を用いて、Kong教授の研究室と共同研究を行ったところ、鍼治療の映像をみると、鍼治療を受けた時と同じような感覚や脳活動が生じ、痛みを和らげる効果があることが分かった。
  • また、この研究用の鍼が、鍼の本当の効果を知るために非常に重要な役割を果たすことも、本共同研究によって明らかにされた。

世界の鍼研究を牽引する最先端の研究についての講演に加え、日本語のスライドもところどころに用意してくださるなど、ウイットに富んだ講義となりました。(本学・大講義室にて)

また、講義後には本学の大学院生をはじめとした参加者からの質問にも丁寧に答えていただくなど、非常に学びの多い講義となりました。

世界をリードする鍼灸師の育成を目指して

本学の鍼灸学科では、「国際性に富む有為な人材の育成」のため、「アメリカ ボストン研修プログラム」を実施しています(2024年度より復活予定)。
参加を希望する学生は約1週間アメリカのボストンに渡り、アメリカで最も歴史の古い鍼灸大学院大学での講義を受けるほか、Kong先生をはじめとする代替医療の世界的権威である研究者たちとの学術交流を行っています。