柔道整復の世界

柔道整復師とは

みなさん、柔道整復師という名称を知っていますか?おそらく聞いたことがない、 あるいは聞いたことがあってもどのような職業か知らない方が大半だと思います。ではもう1つ質問です。 みなさんがお住まいの地域に接骨院はありますか?実はお住まいの地域にたくさんある接骨院の先生は柔道整復師 という国家資格を取得し、地域の医療に貢献されています。柔道整復師の主な業務は、骨折、脱臼、捻挫、打撲など 日常身の周りにおこるケガに対して施術(治療)を行い、患者さんを早期に社会復帰させることです。

柔道整復師の歴史と大学の使命

古くは奈良時代の養老律令や平安時代の医心方、さらに江戸時代の骨継療治重宝記、正骨範、整骨新書などの書物において、 骨折や脱臼の治療技術は正骨あるいは整骨として記載されています。これらの技術は連綿と受け継がれ、今日ではさらにこれらの 技術について科学的な考察がなされるようになりました。東京有明医療大学においては「伝統と経験の技」の習得と同時に科学的な 分析を行う研究的な思考を学んでいきます。
2002年5月、柔道整復「Judo Therapy」がWHO(世界保健機構)で伝統医学として認められました。 以前より柔道整復の海外への普及活動は社団法人日本柔道整復師会が中心に行われてきており、近年、韓国、モンゴル、ポルトガル、 ミクロネシア連邦などを対象にその活動は加速度を増しており、さらに欧米諸国への普及が期待されています。

スポーツ分野での柔道整復師の活躍

近年、スポーツ現場で活動する『アスレティックトレーナー』の存在が注目されています。アスレティックトレーナーはスポーツ現場で 発生したケガの応急処置やアスリートがケガから復帰するまでのリハビリテーションやスポーツによるケガの予防が主な役割です。またスポーツドクターやコーチなど、 周りのスタッフとの緊密な連携・協力が重要であり、そのためには競技やスポーツ医科学に関する知識など、より高度な知識と経験が求められます。最近ではスポーツ現場 でアスレティックトレーナーとして活躍する柔道整復師が増えています。

介護分野での柔道整復師の活躍

戦後、わが国の平均寿命は著しく伸長し、2001年には世界第1位の水準にあります。それに伴い超高齢化社会が到来し、今後増え続ける高齢者の中で介護が必要な人を社会全体で支えるため、2000年4月より介護保険制度が実施されています。 その中で高齢者が日常生活を営むのに必要な機能の低下を防止するための訓練を指導する機能訓練指導員や介護サービス計画の作成や介護支援サービスを担当する介護支援 専門員(ケアマネージャー)の資格を取得し、地域医療の中核を担う柔道整復師も増えています。